相貌失認証

私は昔から、人の顔を覚えるのが苦手だった。

働いていた時は、患者さんやお客さんが覚えられなくてすごく苦労した。

覚えようという気持ちはしっかりあって、

自分なりにリストを作ったり、仕事が終わってからも名前と記憶を反芻させたり、

それなりの努力はした。

でも覚えられなかった。

自分の能力が低いのだと思っていた。

学校の役員になった時も、

お世話になっている先生や地域の重鎮の方々の、名前は覚えられるのに、

顔とどうしても一致せず、

会合の際は毎度友達の後ろに隠れていた。

同じ保護者さんから、「MGさん!」と親しく声をかけてもらったのに、

誰だか分からなくて申し訳なかったことも数え切れないほど。

だんだん、人前に出るのが苦手になった。

ムスメが中学になって、試験の度、

「ママ、音楽家の顔が覚えられない。」

「歴史の主要人物の顔が、最近覚えられない。」

と言うようになった。

どうも、私よりひどい。

全部同じに見えるらしい。

もっとよく聞いてみると、

映画などを見ても、

最期まで登場人物の顔と名前が一致せず、

誰が誰だかわからないまま終わってしまうらしい。

それで最近映画をあまり見なくなったのか、、、

私と同じで、芸能人とか、全然覚えてない。

自分もムスメも、興味が無いだけかと思っていたけど、

そういうわけでもないのかも。

ムスメが唯一認識できる俳優は、

阿部寛さん

なぜ??

試験にも影響するし、

同級生もなかなか覚えられないようで、

だいぶ生活に支障が出ている様子。

「覚える方法ってありますか?」と、病院で相談してみた。

医師は、「絵なら覚えられるの?」

ムスメ、「はい。だから歴史の人物も、写真になる前は覚えられた。近代史になって、写真になって、さっぱり覚えられなくなった。音楽家も、芸術家も、絵なら覚えられるのに。」

なるほど、確かに私も、社会は「公民」になってとたんに覚えられなくなったな。

写真だったからか。

今更すごく納得。

すると医師は、

「相貌失認証だねぇ。」

相貌失認証、

ほう、そんな特性もあったのか。

どうやら私も、軽度ではあるがそれにあたるらしい。

ムスメは、やっぱり私よりひどい。

顔の違いが全く認識できないらしい。

うーむ、これ、先々地味に困るぞ。

医師「相貌失認証ならね、対策を取らないと、社会の中で困っちゃうよね。」

だよね。

「覚えるべき人の顔を、自分が目に付く特徴を軸に絵に書いたり、メモをとったり、リストをつくるといいかも。」

なるほど。

私は絵は壊滅的に苦手だし、字ばかりで覚えようと表現してたけど、

ムスメは絵も得意だし、手間はかかるけど、少し覚えられるんじゃないかな。

早速ムスメは、作曲家の肖像画や写真をカードにして、

自分の目に着く、顔の特徴的な部分を探し、

裏には、年代や曲名、出身国、何派、などの情報を書き込み、

毎日毎日カルタのように覚え込んだ。

これで、全部は埋まらなかったが、(特徴の薄いものは駄目だった。)

カードのやり方を見た周りのお友達も、

「それいいね!」と真似をして、

みんなで問題を出し合ったり、楽しく覚えることができたようだ。

どの特性も、そのハンデを埋めようとすると、

人より多くの時間と労力が必要となってしまう。

その特性がなければ、

こんなこと言わなくても、特別な方法を取らなくても、

勝手にできるのに、、、。

そういうことが、山ほどある。

私も、たぶんムスメも、ムスコも、

そういった努力に、疲れ果ててしまうときもある。

嫌になるときも。

でも、社会の中で生きていくためには、

人に迷惑をかけないためには、

その努力は絶対に必要なんだ。

これから先もずっと。

でもその代わり、

なかなか人には無いお得な特性も持っているわけで、

得意なことを磨いて、苦手なことに努力するのは、

きっと誰でも同じことだよな。

頑張れ、みんな。

いや、私も頑張らな。

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