彫刻刀、どうするか?

新学期二日目、

いつもなら帰宅後は愚痴から始まるムスコ。

その日は、ワクワクした表情で走って帰ってきて、

「ママ、おれ欲しいのんあるねん!もう決めてん!」

と。

何のことかと思ったら、

ランドセルから「彫刻刀」の注文用紙を取り出した。

「これ!俺これにする!」

注文用紙を見てびっくり!!

私の頃は彫刻刀に選択肢なんてなかったのに、

可愛いの、カッコイイの、様々なケース

安全機能付き

持ちやすいグリップ

などなど、どれを選べばいいのか分からないほど種類がある。

左利き用とか!!

ムスコは左利き。

「ケースがかっこいいからこれにするねん。しかも、頑丈で落としても壊れにくいって書いてある!」

『へ~。、、、っていうか高っ!!』

再びびっくり。

何の変哲もない歴史ある彫刻刀に比べて、倍以上の値段がする。

なんてこった。

ムスメなんか100均の彫刻刀使ってるぞ。

『こんなん、普通のでいいじゃ~ん!』

と言うと、

「でも、みんなそれ買わないよ。恥ずかしいよ。」

だろうな、、、。

『まぁとにかく、注文まで日にちがあるからよく考えよう。』

「はーい」

ムスコはコロコロ気分が変わってしまう人なので、

「これがいい!」がしばらく続くかを見てから注文した方がよさそうだと思った。

↓昔からあるやつ


↓安全カバー付き、握りやすいグリップ


夜、再び注文書を眺めてみた。

刃の材質の違いなんかもあるようなので、

ムスコが選んだものがどんなものか確認しようと思った。

思ったが、ふと、そもそもの疑問が浮かんでしまった。

ムスコ、彫刻刀、使えるの??

ムスコは、さほどひどくはないが、

目の認知の障害と、脳から筋肉への伝達機能の障害がある。

それによって手先が不器用だったり、力加減の調節が難しい。

具体的に言えば、文字を枠の中に書くことが難しかったり、

お茶椀が正しく持てないとか、ビンの蓋が開けにくいとか、

スイッチのジョイコン(コントローラー)はすぐに握り過ぎで破壊してしまう。

これまでも、定規に始まり、コンパスなどの文房具には苦労してきた。

そんなムスコが彫刻刀、、、絶対指飛ぶんちゃう??

コンパスの時とかは、まだリハビリに通っていたので、

先生から事前に練習するよう言われていて、

ムスメのを借りて家で何度も練習した。

なかなかうまくはいかなかったけど、なんとか算数の課題をクリアするくらいには使えるようになった。

しかし、リハビリ指導も終わってしまって先生からのアドバイスも当然ないので、

彫刻刀がやってくるなんて思ってなかったー!!

これも、練習しておかなきゃいけなかったじゃーん!!

でもでも、練習で出来るようになるんか?

横にぴったり張り付いて見ていたとしても、

使い方の指導はできても、力加減を調節してやる事なんてできないんだし、

どう練習すればできるようになるんだ?

そこで、身近な経験者に意見を聞くことに。

『ねぇムスメ。ムスコに彫刻刀は使えると思うかい?』

ムスメは、険しい顔をして

「ムリだろー。絶対ケガするで。」

ですよねー。

それしか想像できないんだよねー。

「私のような不注意のタイプなら、先生が一人ついてくれれば危険は格段に減るかもしれない。」

「でもムスコの場合は力の加減だから、正直先生がついていたって意味がない。」

ごもっとも。

「それに私みたいな不注意なら、えーなになにシュッ!ギャッ!!って感じで、切り傷がメインだったけど、」

(「だった」、、、やっぱあんたもやってたのね。)

「アイツの場合はもろにいく。特に角刀が云々カンヌン、切り出し刃は云々カンヌン、神経斬った奴おる。」

『ひょー!!』

ムスメが言うには、ペン先にヤスリを巻き付けて代用し、課題をやっていた子がいたという。

先生が変わってしまっているけど、そういう配慮はしてもらえるんだろうか?

それとも、危険を承知で、使い方をみっちり教えて、気をつけて、みんなと同じようにさせるべきだろうか?

ムスメ「ママ、私達、特にムスコのような子は、配慮されてしかるべきだよ。」

そうか、当事者が言うなら、そうなのかもしれない。

私は先生にどんな配慮が可能か聞いてみることにした。

その前に、ムスコに、先生にそう相談しても良いか確認を取らなければ。

ムスコに話をすると、

ムスコは、泣き出してしまった、、、。

「おれ、彫刻刀、やってみたかったのに。」

『できないとは言ってないよ。どう気をつけたらいいか、先生に聞いてみようよ。』

『学校では安全を優先してさ。もし欲しかったら、あの彫刻刀は買ってあげるから。』

「おれは彫刻刀が欲しいんじゃない!彫刻がやってみたかったんだ!!みんなと同じようにやれないと嫌だ。」

ムスメ「ムスコ、神経キレるで。ピアノ弾けんくなるで。」

その言葉に、またムスコは絶望の表情を浮かべ、

「ピアノ弾けんくなるなら、我慢する。」

と小さい声で言って、枕に顔を押し付けておいおい泣いていた。

どうしたものかと思った。

やりたい、積極的な気持ちは大事にしてやりたい。

正直、少々の怪我より、挑戦することの方が大事だとも思っている。

だからムスメも、いろいろ怖いこともあり、ちょいちょい怪我をしてくるが、

今まで特別避けてきた課題はない。

でも、ムスコの場合、

よっぽどのことが無ければそんなことはないだろうが、

でも万が一、万が一ピアノが思うように弾けなくなったら、、、

それこそムスコはどうなってしまうんだろうと思うから、

それが本当に怖い。

今現在、ムスコが一番素直に感情表現できるのがピアノだ。

イライラが止まらないとき、しんどいとき、

思い切りピアノを弾いて、それで落ち着けるようになった。

毎日ピアノを弾いて、感情の吐きだしやコントロールをしている。

そのことに、自分でも気づいていて、

大げさだが、ピアノはムスコの一部のようになっているのだ。

そりゃ言い出したらキリがない。

じゃバスケで突き指したら?とか。

公園で遊んでて転んで指を怪我したら?とか。

危険なんていくらでもある。

彫刻刀を避けるのは大げさか?

大げさな気もする。

でも、不安は不安だ。

もしかして、学校生活で一番不安な作業なんじゃない?

『とはいえムスメ、中学校で彫刻刀は使わないの?』

「ノコギリは使ったけど。」

「ノコギリなら両手は柄にあるから指は怪我しない。私太もも斬りかけたし、手が摩擦で抉れてるの気付かんかったけど。」

「摩擦で抉れても神経までいかなければ大丈夫じゃん。」

そうでしたね、、

身が抉れてましたね、、、

神経までいかなければ大丈夫かどうかは知らんが、、、。

「彫刻やるなら、彫刻刀より糸ノコみたいなんでする方が安全だよ。」

「ママ、お願い、ムスコに彫刻刀をやらせないで。」

ムスメも真剣に心配していた。

とりあえず、何はともあれ、どんな配慮が可能か、もしくは可能でないか、

先生に聞いてみることにした。

先生は、すぐには答えられないが、図工の先生と考えてくださるとのこと。

まずはその返事を待とう。

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