クリスマス、救われた思い出

ムスメが0才のクリスマスの頃は、いろいろとしんどかった。

ムスメは9か月。

いろんなことが出来るようになって、とても可愛かったが、多動はひどかった。

当時は、ムスメの事、自分の体の事、家庭の事、いろんなことにおいて悩みだらけだった。

出産と同時の転勤で、全く知り合いのいない場所にまた引っ越した。

実家ももちろん遠い。

旦那は当時夜勤だったので、あまりじっくり話すこともない。

誰かと接したり、話したりしたくて、毎週児童館に通ったが、

そこは新興住宅地の、おっきなマンションと一軒家に囲まれた場所で、

マンションごと、もしくは将来の小学校区ごとに輪ができていて、

転勤族の私はなかなかその中に入れなかった。

何より、まだ一歳前後の子供達は、

大抵みんなお母さんの傍でちまっと遊んでいたので、

お母さんたちが輪になっておしゃべりも出来ていたようだが、

うちのムスメは多動真っ盛り。

はいはいや伝い歩きでどんどんどっかへ行ってしまうので、

私は動きっぱなしで、誰かと話せるタイミングもなかなかなかった。

ムスメが私の傍にいたのは、手遊びの時間だけだった。

毎日、本当にムスメと二人っきりで、起きてる間中動き回るムスメの後を追いかけるばかりだった。

「ムスメがいること」は本当に幸せな事だったが、

やぱり「孤独」だったと思う。

誰かと話したかった。

『疲れた~』と言いたかった。

不安しかなかった。

そんなある日、クリスマスを目前に控えた日。

いつものようにムスメと二人で買い物に出かけた。

何故だったかはもう覚えていないけれど、その日も私は疲れていた。

買い物を終えて、お店の前でムスメに上着を着せて帰り支度をしていたとき、

ふと、一組の年配のご夫婦が目に入った。

同じ敷地内の、向かいのファーストフード店に、ファーストフードが似合わないくらいの上品なご夫婦がいらっしゃった。

レジのおばちゃんとの会話によると、常連さんらしい。

足の悪い様子のご主人に、奥様がそっと手を差し伸べて支え、ゆっくり着席された。

『ほほえましいなぁ。

 やりとりも見た目と同じで上品だなぁ。

 夫婦の掛け合いなんて、まるでお芝居のように綺麗だ。

 きっと素敵な歳の取り方をされてきたんだろうな。

 毎日殺伐としている私は、あんな風にはなれないな。はは。』

なんて、思っていた。

すると、くすくすと笑い声が聞こえた。

見ると、そのご夫婦が、ムスメを見て笑って何かお話しされてる。

目が合ったので、私も笑って会釈をしておく。

ムスメは満面の笑みで、と言いたいところだけど、

眠かったので、うつろな目でお二人に「バイバイ」

もしくは「こんにちは」か?

そしてご主人が立ち上がり、

こちらへゆっくり歩いて来られた。

赤いポンチョと、ボンボン付きの帽子をかぶっていたムスメの目の前で腰をかがめ、

「こんにちは、サンタさん。」

その瞬間、なんだか分からないけど、すごく暖かい空気が流れた気がした。

なんて優しい声

なんてやわらかな笑顔

意味も分からず、感動していた。

こんな空気を持った人、(しかも夫婦Wで)たぶん会ったことない。

「こんにちは、サンタさん」のたった一言なのに、

愛情があふれていて、

ムスメの全てを、

そして私の全てを肯定してもらえたような、

そんな気がした。

暖かい毛布を一枚かけてもらったような気持ちだった。

その後何を話したのか、覚えていない。

帰りの車の中では涙が止まらなかった。

ただ、嬉しくて、

その日何度もその一言を思い出しては、ムスメをハグした。

これでいいんだ。

ムスメはこのままでいい。

私も、十分頑張ってる。

あのご夫婦のほうこそ、サンタさんだったんじゃないかとさえ思った。

肯定された。

受け入れてもらえた。

きっとずっとそれを求めていたんだ。

辛い時、あのご夫婦を思い出す。

あの笑顔を思い出す。

あの声を思い出す。

そして自分に言い聞かせる。

これでいいのだ、と。

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